女性の薄毛は、遺伝やホルモンバランスの乱れ、生活習慣の乱れなど原因はさまざまです。どのような対策や治療法があるのか、また費用はどのくらいかかるのかについて、今回は見てきましょう。
女性の薄毛の原因と対策について知ろう！
女性の薄毛はさまざまな要因によって引き起こされることがあります。ホルモンバランスの乱れやストレス、生活習慣の影響などがその一例です。また、女性特有の病気も薄毛の原因として考えられることがあります。
ホルモンバランスの乱れが薄毛の原因になることも！
女性の薄毛の一つの原因として、ホルモンバランスの乱れが考えられます。
特に更年期や妊娠・出産などのホルモンの変動が薄毛を引き起こすことがあります。この場合、ホルモン補充療法などが有効な対策となる場合もあります。
ホルモン補充療法（HRT）とは、更年期障害を改善する治療法です。エストロゲンを補うことで、ほてり、のぼせ、発汗などといった、更年期の代表的な症状を改善します。ホルモンバランスの崩れが原因の薄毛の場合、ホルモン補充療法（HRT）を利用してホルモンバランスを整え、治療にあたる場合があります。
ストレスや生活習慣も薄毛の要因になる可能性がある！
ストレスや生活習慣の乱れも女性の薄毛の要因となることがあります。以前別の記事で書かせていただきましたが、私はこれが大きな原因でした。
長期間のストレスや不規則な生活、栄養不足などが頭皮の環境を悪化させ、薄毛を引き起こすことがあります。こうした場合は、ストレスの解消や生活習慣の改善が重要です。
私自身も職場を離れてストレスをなくしたことが改善に大きな影響を与えました。ストレスは目に見えないから難しいですが、こんなに身体に影響を与えるものなんだと痛感しました。
女性特有の薄毛の原因として考えられる病気とは？
女性特有の病気も薄毛の原因として考えられます。例えば、多嚢胞性卵巣症候群（PCOS）や甲状腺疾患などが挙げられます。
多嚢胞性卵巣症候群（PCOS）はホルモンのバランスの乱れを特徴とし、卵巣での卵胞の正常な成熟や排卵が妨げられることがあります。これにより、身体の中で男性ホルモン（アンドロゲン）のレベルが上昇し、男性型の脱毛の一因となることがあります。アンドロゲンの増加は、髪の成長を妨げ、薄毛や抜け毛の問題を引き起こすことがあります。
具体的には、PCOSによるホルモンのバランスの乱れが、女性ホルモン（エストロゲン）とアンドロゲンの比率を変化させ、髪の成長サイクルを乱す可能性があります。これにより、髪の成長が減少し、抜け毛が増えることで薄毛が進行することがあります。
次に甲状腺疾患についてですが、喉ぼとけの下に位置する甲状腺は、甲状腺ホルモンを分泌する役割を果たしています。この甲状腺の機能に異常が見られる病気は主に女性に多く、薄毛の原因となることがあります。特に「甲状腺機能亢進症（パセドウ病）」は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、新陳代謝が過活発となるため、抜け毛が増える傾向があります。
「甲状腺機能亢進症（パセドウ病）」とは真逆の「甲状腺機能低下症」は、甲状腺ホルモンの分泌が不足し、髪の成長が妨げられる可能性があります。
これらの病気はホルモンバランスの乱れを引き起こし、薄毛を引き起こすことがあるので適切な治療が必要です。
最新の薄毛治療法をチェック！
女性の薄毛にはさまざまな治療法があります。病気の場合はお医者さんなどに行って適切な治療が必要です。それ以外の場合は、育毛剤やサプリメントの使用、低出力レーザー治療、自毛植毛や頭皮注射などの手術的な治療法があります。
育毛剤やサプリメントで薄毛対策を始めよう！
育毛剤やサプリメントは手軽に薄毛対策を始めることができる方法です。成分によっては頭皮の血行を促進したり、毛根の成長を促進したりする効果があります。ただし、効果には個人差がありますので、継続的な使用が重要です。
以下が薄毛に効くとされている代表的な成分です。
- ミノキシジル：ミノキシジルは、毛包を刺激し、血流を増加させることで髪の成長を促進するために使用される成分です。市販の育毛剤に広く含まれており、効果が期待されます。ただし、使用を始める前に医師に相談することが重要です。
- ビオチン：ビオチンはB群ビタミンの一つで、健康な髪と皮膚の維持に必要な栄養素です。ビオチンを含むサプリメントや育毛剤が存在し、髪の健康促進に寄与するとされています。
- ケトコナゾール：ケトコナゾールは、抗真菌作用を持つ成分で、頭皮の状態を改善し、薄毛を予防する助けになる場合があります。
- システイン：システインはアミノ酸の一種で、髪の毛に含まれるケラチンの生成に必要です。システインを補充することで、髪の健康を促進する可能性があります。
- プロピオニル-L-カルニチン：この成分は、頭皮の血行を改善し、髪の成長をサポートするとされています。
育毛剤の効果は個人差がありますので、使用する前に医師や専門家のアドバイスを受けることが大切です。また、育毛剤の使用と同時に健康なライフスタイルや栄養バランスも重要な要因となります。
低出力レーザー治療で薄毛改善の効果が期待できる！
低出力レーザー治療は、最近注目されている薄毛治療法の一つです。頭皮に低出力のレーザーを照射することで、血行を促進し、毛根の活性化を図ることができます。もう少し具体的に言えば、頭皮のミトコンドリアに作用し、細胞を活性化させます。
育毛剤や薬は副作用が心配という方にとってはとても期待のできる治療法ですが、定期的な通院が必要です。
低出力レーザーの一番のメリットは、痛みがなく、安全性の高い育毛方法という点でしょう。治療薬などには男性にしか使用できないものもありますが、低出力レーザーは男女関係なく利用できるのも女性にとっては助かりますね。
自毛植毛や頭皮注射などの手術的な治療法もある！
重度の薄毛の場合には、自毛植毛や頭皮注射などの手術的な治療法も考慮されます。自毛植毛は自身の髪を移植する方法で、自然な仕上がりが期待できます。
頭皮注射は成長因子を直接頭皮に注入することで、毛根の活性化を促します。
薄毛の治療費用はいくら？
薄毛治療の費用は治療法によって異なります。育毛剤やサプリメントは比較的手頃な価格帯ですが、低出力レーザー治療や自毛植毛などの手術的な治療法は高額になる場合があります。
育毛剤やサプリメントは比較的手頃な価格帯
育毛剤やサプリメントは比較的手頃な価格帯で購入することができます。薬局などに行って自分で購入すれば、1万円以内で済むものがたくさんあります。
クリニックに行って薄毛の予防をするための内服薬を処方してもらう場合、月に8千円～1万円程度です。もちろん進行度合いや希望する治療（予防だけでなく発毛を希望するなど）によって金額は月に2～3万円など高くなります。大切なのは継続することなので、1回だけで終わる訳ではないということは覚えておきましょう。
低レベルレーザー療法は通院が必要で費用もかかる
低レベルレーザー療法は定期的な通院が必要となり、そのために高額な費用がかかる場合があります。参考例として、1回あたり3万8500円、6回で約23万円、12回で約46万円という所がありました。クリニックや治療の回数、期間によって費用がこれよりも変動するので、事前に確認することが重要です。
ただ、最近では自分で家庭用レーザー機器を購入することができます。お値段はピンキリですが、10万円前後で購入できるものもあります。もちろん、使用方法など注意すべき点が多いので、安くなる分そういうリスクがあるのは覚えておきましょう。
ヘアトランスプラント手術は高額な費用が必要となる
頭皮注射は1回で終わるのではなく、6～12回など複数回行う場合が多いです。あくまで目安ですが、1回2万円前後で、6回であれば10～20万円程度、12回であれば20～40万円程度と考えましょう。ただし、使用する薬剤や進行状況によって金額は高くなる可能性があります。必ず確認するようにしてください。
ヘアトランスプラント手術は高額な費用が必要となる場合があります。100万円以上かかるのも普通です。手術の規模や移植する毛髪の量によって費用が変動しますので、事前にカウンセリングを受けて費用について確認することが重要です。
女性の薄毛治療の保険適用について解説！
女性の薄毛治療の費用は個人の状況や治療法によって異なります。一部の治療法は保険適用されることもありますが、基本的に自費となります。これは日本における保険適用のルールとして、その治療をしなければ身体が不調になってしまったり、命に関わってくるかどうかが基準となっているからです。
例えばAGAの場合、髪が抜けたり育たなくなったりすることで健康に影響を及ぼすかもしれませんが、身体の不調や命の危険に直結するわけではありません。そのため、基本的には保険は適用されません。
ただし、円形脱毛症や甲状腺機能障害による薄毛は、病気の影響で薄毛になったと判断され、保険適用が可能です。また、頭皮のかゆみや皮膚炎、アタマジラミによる赤みなどが原因の場合には、あくまで「薄毛の原因となった病気の治療」として保険適用されることもあります。つまり、薄毛の治療自体には保険は適用されませんが、薄毛の原因となった病気については保険が適用される可能性があるということになります。
病院などによって判断は異なるので、詳しい事はまず病院などに相談してみましょう。
